『言の葉の庭』(新海誠監督/2013年)、後編~推測&解説編

言の葉の庭』後編、推測&解説編です。
※ネタばれ前提です。

エレベータ、点検中!!

唯一、ツッコミ所だったのが、「え、階段?! ユキノさんのマンション、かなり高層だったけど、エレベータはなかったのか?!」というシーン。
いやいや、それが! エレベータは点検中だったのです!
2人がゲリラ豪雨に降られてから、ユキノさんのマンションの部屋にいる、という間に、エレベータの前に『点検中』の看板が立っている画がちらりと入っていました。
それが、こちら。

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ちょっと分かりにくいので、拡大します。 ※暗いので、明るくしました。

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まさに、グッジョブ!!! ありがとう、点検中!!!
ゲリラ豪雨で機械系がちょっと故障してしまい、復旧作業にてこずり……と、推測 。
あの非常階段のシーンは、例えば、マンションのエントランスではだめだったのです。人目もつくし、なんなら、タカオはすぐに駅へと走って行ってしまいそうだったし。
人目のつかない、非常階段だったから、成り立ったのです。まさに、グッジョブ点検中!!! 

ユキノさん年表

ユキノさんは「今はちょっと立ち止まって、休養が必要」だっただけであって、今後どうやって生きていこうか、などと悩んでいたわけではありません。「教師を辞めて、他の道を探そうかな……」とか考えていたわけではありません。実際、ユキノさんは、東京の高校を退職してから、その後に、飛騨地方の高校に赴任しています(『君の名は。』より推測)。
タカオが受け取った、ユキノさんからの手紙の日付が、2014年2月3日。
と、いうことは、ユキノさんとタカオが出会ったのは、その前の年の梅雨の時期。
君の名は。』の三葉側の舞台が、2013年9月~10月。その時には既に、ユキノさんは、飛騨地方の高校に赴任していました。
ユキノさんは、「(東京の高校を退職したら)四国の実家に帰る」と言っていましたが、おそらく、実家には帰らずに(帰省程度はしていたかもしれませんが)、夏の間に次の赴任先を探して、飛騨地方の高校(三葉たちのいる高校)に決まったようです。
ユキノさん年表: ※あくまで推測です。
2013年6月頃、東京の公園(新宿御苑)でタカオと知り会う。
2013年夏、次の赴任先探し&決定。
2013年9月、東京の高校に退職の挨拶に行き、その後、飛騨地方の高校に赴任。
2013年10月、赴任先の飛騨地方で彗星による隕石が落下。町の人の犠牲者なし。←三葉&瀧、ありがとうー!!!
その後も、教師を続ける。 

ユキノ先生いじめの要因は他にもあった?

主犯格で中心となっていたのはあの3年生の女生徒かもしれませんが、他にもいじめの要因はあったと思います。
ユキノさんは、
・まだ教師歴が浅く、生徒から、新人いびり(というか何というんですかね?)のターゲットにされた。
20代で高校教師だと、生徒と年が近いけど、でも生徒である高校生(女子高生)から見れば、23~24歳でも『おばさん』という感覚で、ばかにされてしまう。あの女生徒は、27歳のユキノさんを『ババア』と言っていましたね; 反面、一部の生徒からは慕われていたようです。『私たちの味方になってくれる先生!』みたいな。年が近いというのも、諸刃の剣ですね。

・精神的に強くなくて、生徒になめられて、生徒から“こいつなら攻撃しても大丈夫”と思われてしまった。
教師という職業は、真面目で知識がある、というだけでは、やっていけないと思います。精神的強さとか、学校内という狭い人間関係でもうまく渡っていけるような、要領の良さのようなものも持ち合わせていないと(どの職業でもそうですかね?)。

・普通に美人で、以前に体育教師(学校内で人気ある?)と付き合っていて、女子生徒からも嫉妬のようなものを持たれた。
隠していても、どこからかじわりと噂が広がります。ユキノさん、そういうとこも、不器用そうだし。恋人つくるなら、学校外でつくるべきだったかも。

などなど。
あの女生徒だけでなく、クラスの他の生徒たちも一緒になっていじめに加担していたというし。おもしろがって、とか、にやにやと傍観していた、とかもありえます。 

ユキノさんの元カレはあやしい

ユキノさんが『以前に付き合っていた、同僚の体育教師』は、ユキノさんと電話するのにわざわざマンションの部屋のベランダに出て電話していたり。部屋のガラス越しにちらりと映った影は女性っぽい?
「あれ? この体育教師、既婚者?」と疑うところがありました。
この体育教師、外見は爽やか系がっしり系、頼もしい体育教師、という感じ。モテそうだし、生徒からも人気がありそう。顔は少し映ったシーンもあったけど、絶妙に顔だけ映らないシーンもあったりして。
そして、ユキノさんいじめの対処に、何もしてくれなくて、むしろ世間体なんかを優先。
それに対し、タカオは、いじめの主犯格の女生徒のもとへ行き、顔を殴ったんですよ! 本来なら、元カレの体育教師が制裁を下すべきだったのでは? さすがに女生徒に体罰は問題になるだろうけど、他に対処方法があったはず。
高校内の情報通の、タカオの友達の彼女(2年生)によると、「警察沙汰にしたらどうかって、伊藤先生(→ユキノさんがケータイに登録していた元カレの体育教師の名前)にも言ったんだけど……学校側も大ごとにしたくないからって」とのこと。この体育教師が、ユキノ先生いじめのもみ消しに暗躍していたとか。ありえる。
この男、ちょっとあやしい。ズルそうだし。既婚者もしくは、二股だったとか。
だから、ユキノさんが退職することになって、内心、ホッとしていた、とか。
→映画版を観た限りでは、こんなふうにみえました。 

タカオがユキノ先生を知らなかった件

冒頭の、公園での出会いのシーンで、タカオはユキノさんを見て、“このひと、どこかで……?”と内心思い、「どこかでお会いしましたっけ?」と聞きます。そして「君の名は――?」と、聞か……なかったようです(←それは別の作品)。
ユキノさんは、最初は「いいえ」と否定しましたが、少し経った後、タカオ(の制服?)をじっと見て、「……会ってるかも」と答えます。
タカオが真顔で、真面目な顔で言っているので気になりませんでしたが、普通ならナンパではないか?! まあ、これは伏線だったのだと、後から気付きましたが;
タカオは、1年生なので、4月に高校に入学してから6月までは約2カ月間。まだ2カ月そこそこの期間だったし、タカオは靴作りや家事などで手一杯で、学校に関してあまり興味がなかったので学校内の噂なんかを耳に留めることもなく。古典の担当の先生も別の先生だったし。なので、ほとんど学校に来ていなかったユキノ先生のことは知らなかったのだと思います。
タカオの男友達は、学年が1つ年上の彼女(同じ高校の2年生)と付き合っていたので、その彼女から学校の情報(3年生によるユキノ先生いじめなど)を聞いていたのだと思います。その彼女・佐藤さんは、退職の挨拶に来たユキノ先生に、真っ先に駆け寄ったりして、ユキノ先生のことを慕っていたようだし。
なので、同級生の男友達は知っていたけど、タカオはユキノ先生のことは知らなかった、のだと思います。

その他の登場人物について

◉タカオの友人:松本
タカオと同級生の高校1年生。1つ年上の彼女(同じ高校)と付き合っている。
→夏休み中に「(彼女と)海に何度も行ったんだ、日焼けした~」という超リア充ぶり。“バイトして学費や生活費稼いで家事もして、でもユキノさんには会えなかった”という苦労人・タカオの目線で見てしまうと、なんだコイツ……(←内心沸々)。ま、悪い奴ではなさそうです。タカオが授業をサボった時のノートとかは貸してくれそう。

◉松本の彼女:佐藤さん ←せめて、下の名前も付けてあげてください;
タカオたちと同じ高校の2年生。タカオの友人と付き合っている。
“学校内の事情に詳しい”そうです。
→タカオとタカオの友人と普通に一緒に学校内を歩いていたりして、「この子、同じクラス?」と思いましたが、学年が1つ上の2年生だったのですね。

◉タカオの兄(映画版では、名前は出てきません)
タカオにとって救いだと思ったのが、タカオが革靴作りに没頭しているのを知って、見守ってくれていたこのお兄さん。タカオより10歳くらい年上(26歳)で、会社員。タカオに対して、「おまえ、靴作りなんてバカなことしてないで、ちゃんと将来のこと考えろよ!」「ちゃんと学校行け!」などと言ったことはありませんでした。それどころか、お兄さんは、「あいつの靴、見たか?」「あいつの手作りなんだぜ」と誇らしげに自分の彼女に言ったりしていました。ありがとう、お兄さん!!! でもできれば、タカオの進路先に経済援助してあげて……。 

入園料のある公園

最初は、タカオは、わざわざ公園に入るのにお金払うのか……とちょっと感心してしまいました。が、都内、それも新宿近辺の他の公園に行くことを考えたら、やっぱりお金を払ってでも、人がいなさそうな静かな場所に行きたかったのかも、と思い直しました。そこらへんの無料(?)の公園に行ったら、ワイワイガヤガヤやって来るうるさいグループとか、子連れ親子に不審者扱いされて通報されて補導されるとか、ホームレスにからまれるとか。いろいろ面倒なことに巻き込まれそうです。
そもそも、雨の日なので、屋根のないベンチだったらずぶ濡れになるし、傘を差したままでスケッチは……不自由ですね。そこで、屋根のある場所、日本庭園の東屋が舞台、だったのかも。
ユキノさんは、社会人なので、入園料はコインみたいに払えるだろうと思います。
ちなみに、調べてみたら、舞台となった新宿御苑の入園料は、200円でした。このくらいなら、タカオでも“夕飯の食材1つ、我慢”とかして、200円出すかな? 

エンディング曲について

エンディングで流れた曲は、秦基博さんの『Rain』。
と、思ったら、原曲は、大江千里さん。カバー曲だったのですね。
この映画はこの曲のために作られた!と言っても過言ではないくらい、ピッタリで素敵な曲でした。
これを機に、秦基博さんのアルバム聴こうかな?と思っているうちに、2017年6月にベストアルバムが発売されていることを知り。
でも、『Rain』は“はじめまして盤”に、『言ノ葉』は“通常盤”に収録されているよう。
『Rain』も通常盤に入れてほしかった……;

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All Time Best ハタモトヒロ (初回限定はじめまして盤)

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“すくわれた”と、“好き”とは違うかもしれないけど

何もかもうまくいかなくて、自信をなくしていたユキノさんにとって、タカオの存在(好意)は、すごくうれしかったと思います。タカオのおかげで立ち直ることができ、タカオに支えられていたと思います。梅雨の時期のほんの数か月間だけだったけど、でもその記憶は、その後もユキノさんの支えになると思います。
そんなタカオへの感謝の気持ちと、好き、は微妙に違うかもしれないけど、同一線上にはあると思います。
あの時、ユキノさんは、部屋を出て行ったタカオを走って追いかけて、タカオに、ちゃんと自分の気持ちを言いました。
その後、離ればなれになっても、この2人はうまくいくのでは?と思います。
というか、うまくいくことを切実に願います。

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