『心が叫びたがってるんだ。』(アニメ版/2015年)、モヤッと感想を言いたがってるんだ

“『あの花』のスタッフが集結!”とのことだったので、非常に期待したのですが。
……でも、感想としては、「なんだこのスッキリしない感、モヤッと感は?」とひたすら思いました。

というか、某巨大サイトのレビュー欄に、『ラブ●』というワードがガンガン出ていて。“ラストに順と拓実がラブ●で~~”と書かれていたら、まだ観ていない人に壮絶に誤解されてしまうのでは?と心配してしまった。
てか、既に廃業して、廃墟となっている建物なのに、ステンドグラスがやたらときれいだったりして、「廃業したのに、月1回くらいで清掃入っているのか?!」と、全然関係ないツッコミ。

モヤッとした点

◉主人公・順の行動や言動が難アリすぎる。
全然、主人公っぽくなかった、主人公の女子高生・成瀬順。
とにかく、順の行動や言動が幼いというか難アリすぎる。
王子様が~~とか、タマゴに魔法をかけられたとか、高校生にもなって教室から勝手に出ていっちゃうとか、ミュージカルの主役なのに本番をドタキャンとか。
いや……ありえないでしょ……なにやってんだ順……。
あれだけ「主役、私、やります!」と言っておいて、ミュージカルの物語も作り、ちゃんと前日までのリハーサルもみんなでやったというのに。それに出ないなんて……(絶句)。順、これで高校生? 高校2年生? ええ! よくここまでちゃんと生きてこられたな?って感じ。いじめとかも今までなかったんですかね?
主人公の順(視点者)がこんな状態なので、視点者=視聴者=私も、『他の周りの登場人物たちが何を考えているか分からない』というモヤッと感も発生。

◉拓実が何を考えているかが分からなかった。
そもそも、拓実が『過去のトラウマにより本心を隠している』ことすら、順(視点者=視聴者)から見たら分からなかったので、傍から見たら、拓実は『淡々と普通に生活している、普通の男子高生』。順にとっては“王子様”かもしれないけど、「拓実のどこがそんなに魅力的なんだ?」と思ってしまった。
なぜか拓実にイライラしてしまったのは、拓実が何を考えているのか、何を背負っているのか、背景には何があるのか、などが最初のほうから分からなかったからかも。拓実の心情の描写や家庭環境などの背景の話はなかなか出て来なかったし。
あと、菜月に対しても、どう思っているかよく分からなかったし。
『中学時代、菜月と付き合っていた』とちらほら話が出てきたけど、拓実はそれまで、同じクラスだった菜月のことを気にかけるとか、意識しすぎて避けるなどという素振りも見せないし。
そのこと自体が、『本心を隠している』ということなのだろうけど、いや……そんなこと分からないよ……と思った。

◉高校生の青春モノ(友情とかもあり)と思っていたが、そうは見えなかった。
そもそも、この集められた4人、それほど仲良くなっていないし; ただ『集められたから、仕方なく集合した』だけ、という感じがした。交流会のイベントが終わったら、すぐに『解散!』となって、疎遠になりそう。
いや……もっと爽やかな、高校生の青春モノ(友情とかあり)だと思っていたのに。4人の間に友情のようなものは感じられませんでした。ただ『好きな人』か『そうでない人(無関心)』か、みたいな感じでした。
屋上から4人で叫んでいる、という場面もなかったし。
4人で、屋上でミュージカルの打ち合わせをした後、じゃあそろそろ行くか、という時に、「じゃあ、何かここから叫ぶか!」みたいな流れになって、4人で、せーの!
「ばかやろぉ~~!!!」
みたいなシーンがあるのかと思ったのですが。

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↑こんなふうに“仲が良い感じ”には見えませんでした。

◉順や拓実の両親が、最悪な人間すぎる。
順の両親といい、拓実の両親といい、ホント、親が最悪な人間。離婚も何もかも、全部子供のせいにしたりして。
順のお父さん、「おまえは本当におしゃべりだな」と、順のせいにしたりして。最低だな!
そして、順のお母さん。何も言わない(言えない)順に、「何か言ってよ」「もう疲れた……」「反抗するならちゃんとしなさい」とか……お母さん、それヒドイよ……。そんなにガンガン責められて、世間体ばかり気にする母親だったら、何も言えない、もう何を言っても無駄、とか思ってしまうだろうに。ま、このお母さん、別の男と再婚して、順はその男から虐待受けて……というパターンではなかったので、その点はほっとしました。

そして、拓実も、自分のせいで両親が離婚したと思っている。いや……離婚は拓実だけのせいじゃないでしょ……。きっと拓実の両親は、『元から不仲だった』『価値観の不一致』(←よくある言い訳っぽいなw)とかだったんでしょ。それが、拓実の進学を機に徐々に露呈しただけで。
なんだか……親の身勝手で、子供が苦しんでる、という構図に、子供が本当にかわいそうだと思ってしまった。

主な登場人物について

◉成瀬順:ボブカットの小柄な女子高生。
順が、最初の頃、全然しゃべれなくて、こんな状態で普通の高校に進学できたのか?と少し疑問に思ってしまった。これだけしゃべれないとか、しゃがみ込むほど頻繁にお腹が痛くなって教室を抜け出す、とかだと、とっくの昔に病院を連れ回されたりとか、養護学校行きにされてるのでは? 順の母親、分かっていて放置したのかな? 学校側から呼び出されて、ここの学校ではもう無理ですと言われたけど、「この子は本当は、ちゃんとしゃべれるんです! 信じてください!」と頭を下げて回ったり、順をかばったり守ろうとしたりとか……あの母親ならしなさそうだな;

でも、順の良いところは、それでも、前向きに、伝えようと努力していたところ。
『言葉は人を傷つける』けど、だからといって、最初から諦めて、何も言わないままだと、結局は、何も伝わらない。
だから、ちゃんと言って、伝えようとする。
『その言葉で救われる』『伝えてくれようと必死になってくれていることがうれしい』『“自分も見習わなきゃ”と気付かされる』などと、周りの人たちを動かすこともある。
『実際に言葉にして伝えることをがんばる』順は、すごいな、と思いました。

◉坂上拓実:実は音楽に詳しい、冷めた男子高生。
拓実は、「あれ? 拓実、ピアノ弾けるのか?」と思ったら、でも実は過去のトラウマにより、“2階のあの部屋”に寄りつこうともしなかったのに、そのうち、ためらう様子もなく、クラスメイトたちを “あの部屋”に呼んで、ピアノで作曲したりしてるし。
結局、拓実が優柔不断(?)だっただけ、に見えてしまったじゃないかっ! おまえがちゃんとハッキリ意思表示しないから、こんなに周りを泣かせたんだろ!って。
ラストも、ちゃんと菜月に言わなかったし(「今じゃなくて、後にしよう」みたいな流れ)。
ま、とにかく、“2階のあの部屋”はすごい!!!(←そっちっすかw)
とにかくすごい!!! ピアノとかレコードとか音響とか! いいなー。でも、防音対策してる部屋みたいだけど、窓開けてたら意味なくね?

◉田崎大樹:野球部のエースだったが、腕の故障により自暴自棄中の男子高生。
途中までは、『とにかくイライラしてて、喧嘩っ早い、なんだかイヤな奴』と思っていた大樹。そんな大樹、途中からは自分が悪かったと認めて、潔く謝ったりしたり、「できることをやろう」と交流会の打ち合わせに行き始めたり。
ミュージカルでの配役が“タマゴ役”なのは笑ってしまいましたが。
ラストで、「ちょっと成瀬(順)に告白してくるわ」と言って、順の元へ行く大樹。え? ええー?! どこにそんなフラグあったんだ?!とビックリ。前に、菜月に「俺と付き合わない?」みたいなこと言っていなかったっけ? 硬派なんだか軟派なんだか分からないな;

◉仁藤菜月:友達多いしモテそうだが、実は一途な女子高生。
チアリーダー』とのことだが、実際にチアをしている場面もなく。優等生っぽいけど、それ以外に特に描写もなく。
この菜月が、順の良き理解者となってくれるのかな? 友達になってくれるのかな?と思っていたが、全然違っていてガッカリ。
拓実が順のことを好きだと勘違いしてから、拓実のことを避けたりして、その点は分かりやすかったかもしれないけど。でも、だから順のことはライバル視?しているみたいで、やっぱり“こういう女は、タチが悪い”(順の言葉より)感じがする。

その他思ったこと

◉深夜枠アニメではなくて、劇場公開のアニメ映画のはずなのに……。
『あの花』は、深夜枠のアニメでしたが、この『ここさけ』は劇場公開のアニメ映画。
“お山のお城”とか浮気とか離婚とかが多々出てくる時点で、子供向けのアニメではないし、『小学生くらいの子供と一緒に観る』ような内容ではないし。
深夜枠ではなくて、劇場公開のアニメなのだから、もうちょっと違う表現にしてほしかった。
舞台が“お山のお城”というのも……; 小学生くらいの子供から、「あのお城って、何?」とか質問攻めにされたら親も困るのでは? それとも、真面目な顔で、「おまえは、ああいうお城で、出来たんだよ」とでも言うんですか? 子供「……どういうこと?」、「お父さんとお母さんが、ああいうお城で、舞踏会で踊ってたんだ。そしたら、おまえが出来た」、子供「???」、(以下、ご自由にw)。

◉『地域の人たちとの交流会』って、そもそも必要なの?
住んでいる地域内の子供たち(保育園児~小中学生)が、『地域の人たちと交流』するのは分かるけど、他の地域からも通って来ている高校でも、そういうことするんですかね? 文化祭で充分なのでは?
雪がちらつくくらいに寒くなった時期の、寒い体育館に冷たいパイプ椅子って……田舎町の、ほぼ高齢者にとっては拷問なのでは? せめて、体育館にストーブ持ち込むとか、パイプ椅子に座布団を敷くとかすればいいのに……と思ったが、学校側はそこまではしないか。

そもそも、生徒たちがミュージカルなどをやって、地域の人たちがそれを観ただけで、『地域の人たちと交流』したことになるのか?も疑問。

あと、ミュージカルよりも、ラップとかのほうが言葉を乗せやすかったのでは?と思ってしまった。でも、観客のほぼ高齢者にとっては、ラップだと馴染みがないし、「何言ってるのか聞き取れないよ~」とか言われるかな?

◉クラスがまとまるまで、クラスの人たちの仲が悪すぎ?と思ってしまった。
1クラスの人数は少ないほうなのに、お互い無関心すぎだし、なんなら敵意剥き出しだったこのクラス。学校行事のイベントもあるだろうし、クラス内で団結、とか集団行動、とかあるだろうに。と、少し心配してしまった。
ま、高校生ならそんなもんかな?

◉ミュージカル作りのために、クラスの人たちが、それぞれ得意なことをしているのは、良かった。
音楽(楽曲)作り、衣装作り、メイク、大道具、小道具、照明、ポスター作り、などなど。それぞれの得意なことを持ち寄って、できることをやる。そういうのって大事。将来の進路を決めるのにも、自信となったり、「あれ? 違うかな?」ってなったりするのでは?と思う。

◉音楽準備室のハンモック、めっちゃいい!
あの担任の先生が持ち込んだんだな?! 好きな音楽とか聴きながら、ハンモックに寝そべってウトウトとか……羨ましい~!
あの先生、なんだかんだでいい味出てました。

実写映画版(2017年7月公開)について

※注意:観ていません!
拓実のキャストが、天下のジャニーズ・Sexy Zone中島健人くんと知り、「ええ?! なんか、1人だけキラキラしすぎ?!」と思ってしまった。『悩みなんてナイナイ! だって俺、王子様だから! みんなをしあわせにしてあ・げ・る♪』みたいな(←なんだそのイメージは;)。心に傷を抱えていて実は……みたいな、繊細な感じには見えない……。
ま、でも、拓実の役はジャニーズ並みのキラキラ感がないと、「拓実のどこがそんなにいいの?」という感じになってしまいそうなので、それでいいのか。
でも中島健人くんだと、アニメ版の拓実よりも、『確信犯』みたいな感じがする。順に「全部、聞きたい、話して」と迫り、全部言わせておいて告白までさせておいて、アッサリ振る、という。なんとも残酷な王子様……。
と、実際には観ていないので、なんとも言えませんが(←言ってますw)。

公式サイト:
kokosake-movie.jp

↑実写映画版の公式サイトで、思いきりネタバレしていますね;
「え?! 失恋しちゃうの?! ハッピーエンドの王道の青春ラブストーリーじゃないの?!」「そんな結末、知りたくなかった!」などと思った人も多いのでは? 

❰おわり❱

→『あの花』はこちら:
natsusakana.hatenablog.com