夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

キノの旅(アニメ) 第10~11話 感想 怒涛の展開に打ちのめされた

ここからもう、突き落としますね……。
『優しい国』は特に、今までのギャグ回(?)との落差に、もう呆然としてしまいました。
ずるいですね、こういう展開。ボロ泣きしてしまったじゃないですか!

第10話『優しい国』

色とりどりに色付いた紅葉がとてもきれいでした。
悪評高い国へ入ったキノ。
しかし、事前情報と違い、旅人のキノにとても優しい国の人たち。
いや、何かある? 何かあるでしょ?と警戒しつつ。
キノの銃の手入れしてくれたお店のおじちゃん、キノの銃を見て何か悟った? お師匠さんのこと、何か知ってる?
「お代はいらねえ」「これを受け取ってくれねえか」と、『森の人』という銃をキノに渡そうとするおじちゃん。
何か裏がある? キノを騙そうとしてる?などと穿ってしまいましたが。
……え?! あのおじちゃん、年を取った相棒さん?!
えっ?!
て、ことは。
いや、いやだ、考えたくない、考えたくない……相棒さん……(号泣)。

初見では、最後のオチで、ああ、なんて容赦のない話なんだ、と呆然としてしまいましたが。
二度目以降に観ると、さくらちゃんが出てきたあたりから、もう泣けてしまい。
この国の人みんな、知ってたのか!
え? さくらちゃんも知ってた?!
知ってて……?

でも、きっと、若くて心身ともに健康で、サバイバル術や技術があったり、「俺はまだまだ!」という人たちは、もう出国して出て行った、と思いたいです。
残っていたのは、全員、知っていた大人たちで。
何も知らされていなかった小さな子供たちはちょっとかわいそうだとは思うけど、国の歴史を見ても、どのみちこの国を出ては生きていくのは難しいだろうし。何も知らないだけ、最後まで無邪気でいられたのかも。
そんな、『優しい』人たちの国。
いや……そんなの『優しい』とは言いませんよ。
キノがどう思うと思ってる?! それなら最初から「入国させねえよ!」って言ってくれたほうがよかったのに。
そんなの『優しい』とは言わない!(涙)

「エゴだよ……」
最後にちょっと感情をあらわにしたキノ。
エルメスの言う通り、「しょうがないよ」。
そう、しょうがない。
もし、さくらちゃんが「旅に出たい」と望んだとしても、キノは連れて行かない。連れて行けない。まだ幼い、小さな子供を連れて、危険な旅なんてできない。
でも、しょうがない、と言ってなぐさめになるだろうか。
さくらちゃんの手紙と共に、『次にしあわせな花嫁になる』という“木の種”をもらったキノ。キノの花嫁姿は想像つかないけど(花嫁姿の時でもひそかに銃を持っていたりして? 隣にいる新郎さんはどんな人? もしシズさんだったら、お腹抱えて笑っちゃう。絶対そんなことないと思うけどw)。
キノ、しあわせになってくれよ!

第11話『大人の国』

ある国に住む、長い髪の11歳の少女。もうすぐ12歳。
男の子たちから名前のことでからかわれても、うつむいているだけ。
え?! キノ(2代目)、昔はこんな感じだったの?! 最初から、『最強の武装能力がある』『自分を客観視できて、感情を抑えられる』というわけではなかったの?!と思ったけど、普通はそうか、と思い直した。物語の世界だと、「主人公は最初から最強!」ということが多々あるけど、そういうわけではなく、現実味のある世界観。なんだかホッとする。
そして、少女の国に旅にやって来た、キノ青年。あれ? 若いな?と思ってしまった。何歳くらい? まだ20代前半くらい?
キノ青年、“昔の友達の名前”として、修理したモトラドに“エルメス”と名前を付けてたけど、なぜか“エルメス”という名前、女性の名前という気がして(というか女性の名前だと思い込んでいて)、もしかしてキノ青年の、昔の彼女の名前だったりして?と、ちょっと思ったり。
と、どうして“エルメス”が女性の名前というイメージなんだろう?と記憶をさかのぼってみると、『電車男』か!と思い当たり。そうだった、電車男が助けた女性を“エルメス”さん、って呼んでいたっけ。
実は、最初から、この男の子っぽいモトラドの名前が“エルメス”というのに、ちょっと違和感があった。『電車男』のせいか、はたまた、あの有名ブランドと同じ名前のせいか。あの有名ブランドのバッグなんかは女性向けのものでしょ?
……え? ギリシャ神話の青年神・エルメスが由来? 旅人の守護神?
なるほど!と、ようやく納得。今さらか;

f:id:natsusakana777:20171216163053j:plain

少女は、キノ青年に、「つらいことをするのが仕事なんでしょ?」「楽しいことがあるなら、旅は仕事じゃない」などと言いますよ。
ええ?! この国にはそんな法律というか教えみたいなものがあるのか?!
「きみの言うところの大人でもない」「子供でもない」と言うキノ青年に、少女は、じゃあ、キノは一体、なんなの?と聞くと。
「僕は、キノさ」
「僕は旅が好きさ、だから旅をしてる」
ああ、このシーン。目に焼き付けておきます。
そして、歌が好きというキノ青年。歌い出しますが、……下手だな;
まあ、『好き』と『上手い/下手』は違いますからね。
でも、歌が好きという少女は、とても歌が上手。
歌手になればいい、と言うキノ青年に、少女は歌手にはなれないと言います。「仕事を継がせるために、大人は子供を産むんでしょ?」って……(絶句)。なんなんだその考え方は?!
その後、キノ青年との会話から、『大人になる手術』を受けたくないと言う少女。
しかし、両親や国の大人たちに激しく罵倒されてしまいます。
え、ええ?! この両親、何言ってんの?! 国の大人たちも一緒に?! 怖っ!
「親に逆らったから」「出来損ない!」と娘を殺すために包丁を持ち出した父親。
そこへ、キノ青年が立ちはだかり。
いや、あの父親、最初からキノ青年のこと、殺す気満々だっただろ?!
キノ青年を刺した後、なかなか包丁が引き抜けないと、笑いながらモタモタとする父親。「しょうがないわねえ」と笑いながら手助けする母親。
どーかしてるよ、この両親。
でも、両親は「包丁がなかなか抜けない」とか言って、娘が逃げる時間を稼いでいた、と思いたい。本心は、「早く今のうちに逃げろ!」と思っていた、とか。
その時、少女の背後にいたモトラドがしゃべり出します。
『第3の選択』をして、モトラドに乗って逃げる少女。
行け! 走れ! 逃げろ!!
どうにか門まで走り。
門、出た―――!!!
明るい光に思わず目をつぶる少女。
ちゃんと目を開けて! 本当の世界を見て!
ようやく目を開けた少女の前には、美しい景色と、道が開けていました。
the New World――!
このシーン、いつも思わずグッときてしまう……(泣)。

赤い花の中に仰向けになって、歌を歌うキノ(2代目)。
今までの、淡々と、殺伐とした旅の中で、歌を披露する場面なんてなかったので、キノ(2代目)が歌がうまくてビックリしたけど。
「ああ、そうか……今、旅をしているキノ(2代目)は、あの少女だったのか」と思うと、すごくせつなくなってしまった。
でも、よかった……と、しみじみと思ってしまった。
キノ青年も、きっと今のキノと一緒に旅してるんだと思います。

f:id:natsusakana777:20171216163022j:plain

『優しい国』について改めて

『優しい国』は、いろいろな意味で、特別な国だったのだな、と思ったり。
キノ(2代目)にとって、思い入れのある、『別枠』的な国。
もうなくなってしまったので、もうあの国のことを他の人に言うこともなく。
ひっそりと自分の心の中で大事にしまっておきたい国。

f:id:natsusakana777:20171216163138j:plain

そして、さくらちゃん。
改めて思ったのは、さくらちゃんはイイ子ちゃんすぎる。キレイごとすぎる。
人間って、もっと泥くさくて、本能的には「生きたい!」と思っている生き物だと思う。
人間として当然の権利、当然の感情、「生きたい!」と思う生き物。
若いうちなら、なおさら。
『国を飛び出した』という時点で、キノ(2代目)は完璧に自己防衛できていたわけではないし。
『第3の選択』をして生きのびた、キノ(2代目)のほうが逞しいし、人間として当然の行動だと思う。
でも、そこは、キノ(2代目)本人も言っていたけど、「運がよかった」のかな。
“手術”の直前にキノ青年に出会って。
エルメスがいて、国を逃げ出せて。
その後、お師匠さんと出会ったのかな?
最初、『優しい国』で、キノ(2代目)が「昔から、運はよかったんだ」と言っていたけど、「旅をしていく中で修羅場なんかもあっただろうに、なんだか謙虚だな?」と思ったけど、振り返ってみると、やはりキノ青年との出会いがその後の人生を大きく変えたわけで、それが、そもそも幸運だったと言っていたのかな?と思ったり。

第9話の『あとがき』について改めて

あの『あとがきのアニメ化』には本当に衝撃を受けて、「ああ、私、何やってんだろう……!」と心を動かされて、ひと時だけハイな気分になったのですが。少し経って、は!と現実に気が付き、ガクン、と反動で落ち込んでしまいました。
そうだった……今はもう、10代の若い頃ではないのだ、明るい未来を夢見ていたあの頃とは違うんだ、ということに気が付き。
私にはもう未来なんてなくて、ただただどんよりと重くて暗い現実があるだけで。
今なら言えます、夢は語るだけでは実現しません、大事なのはこの部分。

『その夢の現実のためにコツコツと、できるところから頑張っていこう!』

 ふわふわとした単なる憧れだけ持っていても、実現はしません。
具体的な行動もしていないのに、言葉にしただけでは、実現はしません。
自分のやりたいことに真剣に向き合い、具体的に行動する。
「これに賭けたい!」というものがあれば、とにかく突き進む。
そうしないと、いざ、やりたい方面に進もうとする時に、邪魔が入ります。
親や学校の先生などの周りなんて、所詮、「いい大学に行って、いい会社に就職しろ」という、損得勘定しかしていませんよ。安定収入につながらない方面なんて、「そんなのギャンブルと同じだ!」というように反対してきますよ。
だから、そういった反対を跳ね除けるためにも、具体的な行動、実績は必要です。
コツコツと、できるところから。

どうしてこんなこと言うかというと、私はそうなれなかったからです。
反対を跳ね除けるだけの行動も実績もなかった。それは反省してます。後悔してます。
で、その後もあがいたりジタバタしたりしたけど、今となっては、心身共に壊して、もう動けなくなって体力気力もなくなってこれからどうしよう、という状態になってから、「今からでも遅くない」「やりたいことやれば?」とか言われても、例えば高校の頃の制服が大人になった今ではもう絶対に着られないように、もう遅いんですよ。
だから、若いみなさん、本当、頑張って!
人生なんて、自分の思い通りになんて、いきません!
だったら、やりたいことをやりましょう!
なんか矛盾したこと言ってるかもしれませんが、とにかく突き進んでください!

でも、やっぱりあの『あとがきのアニメ化』には、「ああ、原作者さんの夢、叶ったのか! 14年の月日を経て、実現したのか! すごすぎる! アニメ視聴者は、その目撃者となったのか!」と思うと、やっぱり感激してしまいました。
「夢をあきらめないで」と言うだけなら簡単だけど、こんなふうに、本当に夢を実現した人が言うと、その言葉の重みが違います。説得力があります。
何も達成できなかった私が言うのとでは全然違う。
若いみなさん、この『あとがき』のメッセージ、しっかりと受け取ってくださいね。

『僕は、かつて、きみだった気がするんだ……』
でも今の私は、もう死んだ魚のような目をした大人。
かつての私は、そんな目をした大人たちを、不思議そうに見上げていたっけ。どうしてそんな目をしてるの? 大人になったら、自由になれるんでしょ? 大人になったら、しあわせになれるんでしょ?

若いみなさん、私のようにはならないでくださいね。

❰おわり❱