夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

キノの旅(アニメ/2017年秋版) 第6話『雲の中で』感想

本当は、知っていなきゃいけないことなのに、自分だけ知らないままなんじゃないか?
何か、重要なことを見落としているんじゃないか?
などと、なんだか不安になってしまった。

『自分が何を知らないか』が分からないと、知らないままになってしまうよね。
怖いのは、『自分が何を知らないか』が自分では気付きにくい、分かっていないかもしれない、ということだと思います。
もしかして、全部『知ってるつもり』なんじゃないか?とか。
『知ったかぶり』なんじゃないか?とか。『思い違いをしている』んじゃないか?とか。
そもそも『人生を左右するような大事なことなのに自分だけ全然知らない』んじゃないか?とか。
いざという時に、全然違っていて、役に立たなかった、とか。それが命取りになった、とか。
もしかしたら、大事な何かに気付かないまま、通り過ぎてしまうかもしれない。
何か、すごく重大なことを見落としてるのかもしれない。
そう思うと、本当に怖い。

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そして、あの少女が叫んだシーン、すごかった。
初見の時は、本当に驚いて、あたふた。
深夜に響いた、そこそこ長い叫び声。
テーブルからコップが転がり落ち。共鳴っ?! コップの中身はなかったし無事。慌ててコップを拾い、慌ててボリュームを下げようとリモコンを探したけど、ど、どれだっ?! リモコン、どれだっ?! ボリュームのボタン、どこだっけ?! そのうちに、近隣住民がざわついてるような気配が。「叫んでる子いるみたいね」「ストレスたまってるんだろ」「とうとう発狂したか」……うおおお、わ、私じゃありませぇえん!!(焦っ)←被害妄想
『若干、長い悲鳴がありますので注意』とか、冒頭に注意書きを付けてほしかった。いえ、嘘です。でも、心臓に悪いですね……。
と、初見の時はひたすら焦ったので、後日、心の準備をして、環境を整えて、また観ました。
あのシーン、少女の絶望感がひしひしと伝わってきました。
なんだか……観ててすごくつらかった。

そして、あの小さなモトラドくんが、さらりと大事なこと言ってましたね。メモっておこう。
「どうやったら、私は死ねるの?」
「簡単さ! 生きればいい。生き物は生きればいつかは死ぬ」
「そっか。生きなきゃ、いけないのか。分かるまで」
「そうさ。生きればそのうち人生は終わる。終われば死ねるのさ」
ま、たぶん、分からないままでもいいのではと思いますよ。分からないままなのはちょっと不安だけど。
でも、自分から行く(逝く)ところでもないし、自分から行くのはけっこう難しかったりする。
小説や音楽などでも、よく『急がないで』と言われているのを耳にするので、心に留めています。“いつかは向こうから来るんだから、急がなくていいんだよ。急がないでね”、みたいな。
だから、急がないで、ぼちぼちといきましょうか。大丈夫、いつかはみんな行くところなんだから、死ぬ時まで生きればいい、ってことでしょうか。

キノは冒頭とラストにちらりとだけの登場。キノ、各国の植物図鑑も網羅済み?!
でも、毒草については、命に関わることなので、さすがに知っていたか。でも、キノなら、そこらの野草を取って調理して食べたりしなさそうだな。
あの少女が、最後には目を醒まし、新しい人生を歩み始めたので、本当によかった。
名前のなかった少女に、フォト、という名前が付けられました。
後日談では、すっかり生き生きとして。
なんか泣けましたよ。よかったね(泣)。
こんな過酷な世界でも、フォトみたいなことが起きるのか、と思ってしまいました。稀なケースだとは思いますが。

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おわりに

この作品全体に言えることですが、少女などに対する性的視線の概念自体がないことに、とてもほっとします。
今回の奴隷だった少女が、性的にも痛めつけられていたら……とか、あの行商人の坊やのクソガキが、もう少し大きくて、「お父様、あの奴隷を僕に安く売ってくれませんか?」と性的にも含めた言葉で言っていたら、と思うと、それこそゾッとする。
まあ、アニメという二次元のジャンルなので、そういう見方もあるのは仕方がないと思いますが。それでも、たとえネット上でも、そのような声を聞くのは気分が悪いものです。
でも、この作品では、そういうことはあまり見かけないので、そのことにも、ほっとします。
そもそも、主人公のキノが、めちゃくちゃ強い、……の子、ということだし。

消費対象として見られてしまう、立場の弱い少女たちに対して、女の子たちよ立ち上がれ! 変われるんだ! 強くなれるんだ! 強くなれ! 知恵を身に付けろ! 旅に出よう!などの熱いエールとも受け取れるし。
さすがは the Beautiful World、世界は美しくなんてない、でも見方次第、考え方次第、行動次第で、どうとでも受け取れる、もしかしたら世界は美しくみえるのかもしれない。
そう思わせてくれた『キノの旅』、本当にありがとう。

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「さて、旅を始めるか」