夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

キノの旅(アニメ/2017年秋版) 第5話『嘘つき達の国』感想

この話、一見、『いい話』のようにみえるけど、なんだかモヤモヤ感が残った話だった。
それに、今までの第4話までが、ちょっと物騒系のイレギュラーっぽい話だったから、いきなり、キノが国の人にただ話を聞くだけ、という話にもみえた。
キノとしては、国には干渉しない、深入りもしない、傍観者で、これが通常なんだろうけど。

旅人の話

旅人だったという元大統領の記念館を、やたらと張り切って案内する女性スタッフと、そこまで興味なさそうなキノ。どういう経緯でこの記念館を訪れることになったのかは分からないけど。エルメスも一緒に土足で(?)入っていたのには、もう慣れましたよ。てか、エルメスを外で待たせておくわけにはいかないしね。盗まれたら困るし。
女性スタッフの、“元大統領が旅で使っていたスコップ”を「園芸用のスコップです!」「旅の途中に草花の種を植えていたのでしょう! きっとそうに違いありません!」という超絶・能天気な解説に思わず笑ってしまった。
でもある意味、『別の国で食べてきた物に、植物の種なんかが入っていて、それが体の中で消化されずに排出されて、それを土に埋めていた』とすれば、『草花の種を植えて回っていた』という説もあながち嘘でもなさそう? しかも、その元大統領が、スコップを使っていた時に、この国の人に「旅人さん、どうしました?」などと声をかけられて、「ああ……(焦っ)、ちょっと、花の種を植えていたんですよ」「そうなんですか! お花、お好きなんですね!」とかいう問答があってそれがそのまま言い伝えとして残った、とか。
でもそうやって大切に保管されていたものの中に、もう乗り手のいなくなったモトラドさんがいて。
ヘルメット=二輪車、とすぐに分かるキノ。ああ、そうか、例えば、車だったらヘルメットは要らないか。
部屋の中に大事に飾られていた、渋いお声のモトラドさん。しゃべれるし、意志もあるのに、自力で動けない、飾られているだけ、って、モトラドにとっては本当に生き地獄ですね。ここから連れ出してくれ、などと頼んできたモトラドさんに、「できません」ときっぱり断るキノ。「そうか……」と何度もつぶやくモトラドさんがせつない……。
その後、街でキノに声をかけてきた少年(※注意:ナンパではありません)。宿屋の子供ということで、キノは思うところがあったのかな? 旅人になりたいという少年に、キノは、あの記念館のモトラドさんのことを話して去りました。てかキノ、「(旅人になる)方法は1つじゃないよ」「(旅を始めたのは)誰からも命令されなかったのにそれをやりたいと思ったから」とか、言うことがカッコよすぎだな。
この少年がいつか旅人になって、あのモトラドさんを旅に連れ出してくれたらいいな。あのモトラドさんなら、旅のこととか、いろいろ教えてくれそうだし。と、この話、続きがありますか。

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嘘つき達の国

キノは、別の国へ入国。
寒そうだな。
城門のある森は、国の外れかな? 街の中心部のほうは、けっこう大きな街という感じだけど。
門から入ってすぐに会った男について、街中の店で話を聞くキノ。あとから思ったけど、たまたま食事に入った店に、“彼の友人”という男がいた、というのは、ちょっと不自然だし怪しいなあ。
“彼の友人”という男から、事情を聞いたキノ。
あの“狂ってしまった男”に嘘をつき続けているこの国の人たちが、本当に男を哀れんで悲しんでいるのかと思うと、この国の人たちのほうが気の毒だな、と思ったり。
なので、憶測で解釈。
あの場でキノに話を聞かせてくれた国の人たちは、全員『旅人に嘘をつく劇団員』。悲しむふりをしている、涙を流すふりをしている、旅人には嘘をついている、という国の人たち。“彼の友人”という男が劇団の団長的存在で、門番から旅人が来たという連絡を受けて「おい、旅人が来たぞ! みんなを集めろ!」と劇団員を集めさせ。劇団員の人たちは、「旅人さんが来たのね! 早く支度しなきゃ!」「久しぶりだから緊張するな!」「目薬の準備も忘れずにね!」とか言い合って、あらかじめお店に集合。国の人たちも協力して、街の中のあのお店に、キノを誘導し席に案内して。そして、劇団員たちは、キノの前では、「あの人、可哀想に」「革命のため、国のために、あんなふうになってしまって」と悲しんだり嘆いたり涙を流したりする演技をしている、というタネ明かし。
後から分かりますが、“彼の友人”は、実は王家のスパイだったようで、でも現在は新政府で働いているのだとか。そんなことが国の人たちに知られてしまったら……。
この友人の男が、“狂った男”に王家のスパイだとばれてしまったので、国外れの城門の近くの森に家を建てて住まわせて、“狂った男”のことを見張っているのでは? 旅人として国に戻ってきた元王女を家政婦さんとして雇ったのも、この友人の計らいか? 彼女が戻ってきて雇ってやったから、何も言うんじゃねえよ、的な?(疑いの目~なんか全部、疑ってしまう)

その後、家政婦さんの馬車が森の中の道にはまっているところを助けたキノ。てか、キノ、どんだけ怪力?! のちの第12話(最終回)の、“ジャンプ台に使う道具を放り投げて出した場面”でも、ええっ?!と思ってしまいましたが。
家政婦さんに、お茶に誘われたキノ。てか、この国の人たち、旅人のキノにはやたらとペラペラとしゃべるな。それが本当のことか嘘かどうかは分からないけど。
でも、家政婦さん(元王女)が、王族の身代わりの人たちの犠牲をなんっっとも思っていない様子だったことにも、モヤモヤ。
少しでも、「気の毒なことをしました……」などと、心を痛めている様子だったら、まあ、あなたのせいではないし、と思ったかもしれないけど。「身代わりが役目を果たしてくれました」と、他人事のようにあっさり言うだけで。そして「兄弟は隣国に逃れてのんびりとしあわせに暮らしています」って。のんびり、しあわせ、ねえ。あれ?じゃあ革命が起きるほど暴君だったという国王はさすがに処刑されたよね?と思いきや、「両親(=元・国王たち)を説得するのに苦労しました」と言っていたから、元国王たちも無事に隣国に逃れたってことか。生きて、平然と、隣国に逃れて普通に暮らしてるのか?
ということは、元・国王一族は、革命が起きることを早々と知り、身代わりを犠牲にしておいて、隣国に逃げてのうのうと平穏に生活中。隣国も、元・国王一族をよく移住者として受け入れてくれましたねえ。それとも、もともと隣国の王家とかのトップの人たちと付き合いがあってツテがあったのか。
移住に苦戦しているシズさんを見ていると、そんなに簡単に移住できて、周りの人たちからも受け入れられたりして、“のんびり、しあわせ”に暮らしているという元・国王一族って、どんだけ恵まれてるのか?とか思ってしまったり。ま、シズさんは性格などに問題ありかもしれないけど。

あと、もし、身代わりとして犠牲となった人たちが、「国王一族のため!」などと忠誠心のある人たちで、「いつでも犠牲を覚悟しています!」「我々は、そういう役割なんです!」と思っていたなら、何も言うことはないけど。
でも、もし、国王一族側が、「身代わりはどうせそのうち犠牲になるんだから、そこらの貧困層の奴らを集めて、身代わりの役割を与えてやれ」みたいに集めて、身代わりの人たちのことを、単なる道具とかどうでもいい人間、みたいに命を軽く扱っていたなら、かなりモヤモヤするな。
そんな国王一族だから、一般庶民のことなんてどうでもいいと思っていて、民衆の命なんて片手で簡単にひねりつぶせるしな!とか思っていたとか。それなら、不満がたまった民衆によって、革命も起きるだろうな、と。

そして、ラストに、実は狂っていなかった男に本当のことを打ち明けられたキノ。
初見では、「あの国の人たち、本当にこのままでいいのかな?」とちょっと疑問に思ってしまったり。男はもう狂っていないということを、あの国の人たちに言ってしまえばいいのに、とか。だめか。そんなことしたら、家政婦さん(実は元・王女)、友人の男(実は元・王家のスパイ)の立場も危うくしてしまうか。
でも、どうしてわざわざキノに、門番を振り切って外に出てきてまで、本当のことを言いに来たのか? と、あとから思うと、「今まで僕が言ったこと(旅に出た恋人を待っている、探しているということを伝えてくれ、など)を、他の国へ行ってペラペラとしゃべって回らないでくれ」と『口止めに来た』のか、と思うと納得。

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門へと戻っていく男を見送り、その国を後にするキノ。
キノは、なんだか、『若いカップル』『若い夫婦』たちを見る時だけは、あたたかい目で見てる感じがするな。普段はギローン!警戒!とか、冷めた目!って感じだけど。
行く先々の国で、真っ先に目が行くのが、『若いカップルが楽しそうに話している姿』とか、『若い夫婦が小さな子供を遊ばせている姿』とか。そういう姿は「その国の治安が良いかどうか」の基準として見ているだけかもしれないけど、「いいなあ」という目線で見ている感じもするなあ。

だから、第2話『コロシアム』の国に行くきっかけとなった、あの馬車の若い奥さんのことも信じてしまったのかも、そしてその結果……。
あの馬車の『若い夫婦』も、きっと、とても仲が良くて、しあわせそうだったんだろうな、そしてキノにとてもやさしくしてくれたんだろうな、と。キノは、そんな、以前のやさしかった馬車の若い奥さんが夫を失って変わり果ててしまい、奥さんの代わりに、あの国に“復讐”しようとしたのか? おっと、またいろいろ考えてしまうな。このへんでやめとこう。