夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

キノの旅(アニメ/2017年秋版) 第1話『人を殺すことができる国』感想

今さら感はありますが、まだ書いていなかった話の分を書いていきたいと思います。
第1話の冒頭の、キノのモノローグ(エルメスが聞いてたけど)。
ここのシーン、すごく好き。
間に挟まっていた、景色の映像もすごく綺麗。

とことん客観的な視点で、世の中や物事や自分のことを見られたらいいのに。
それが、意外と難しかったりする。

時々、じゃなくていつも、自分がどうしようもなく愚かで、浅はかで、どす黒くて、ゴミみたいで、虫けらみたいな人間だと思う。
でも、他の人間たちだって、同じじゃないか。他の人間たちはもっと、汚いし、人をいじめたり騙したり、酷いことばかりしてるじゃないか。
でもそれは、自分の視点から見た世界だからか。
自分以外の視点や客観的な視点で世界を見られたら、もしかしたら、世界は美しくみえるのかもしれない。
と、思ったり。

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のんびりとした田園風景を走っている途中、キノは、馬で旅をしてきたという野蛮な男と出会い。
「俺の荷物を半分持ってくれ!」と言われたけど、キノは「持ちませんよ」「自分の荷物は自分で持ってください」とキッパリお断り。
人生でも、自分の荷物は自分で持て、他人に背負わせようとするな、自分で持ち運べもしない荷物は持つな、ということでしょうか。なるほどその通りだなあ。と、いちいち勝手に解釈。
この男の故郷の国は、みんな仲が良くて、治安が良くて、この男が少しでも暴力振るうと白い目で見られたのだそう。だから、気に入らない奴がいたらぶっ殺せる国に来た、自分が自分らしく居られるように、と、なんだか身勝手な言い分。この男の故郷の国、シズさん御一行に紹介してあげて……と後から思ったり。
その男、この先にある国のことを、「あの国は、人を殺してもいい国なんだよ!」と、言っていましましたが。
のちに分かりますが、その情報、というか解釈、若干、違いましたね。
そう聞いても、その国へ行くことにするキノ。
エルメスが、「カノンの用意は?」「森の人は?」と言っていて、初見では「ん? 何のこと?」と思ってしまいましたが、それぞれの銃に名前が付いている、ということでした。てか、『森の人』を既に持っているということは、第10話『優しい国』に立ち寄った後の話なのか、と、これも随分後になって気が付いたことで。

その国の、入国管理のおじさん、キノに「本当に入国されますか?」と何度も念を押していたけど、後から思えば、無愛想だけどいいひとだったんだな、と。第2話の『コロシアム』の守衛たちのヒドさといったら……。
そして、さぞかし物騒な国なのか?と思いきや、至って平和で平穏な、街や人々。
旅人にも親切。
国の名物だという、ホイップクリームがたっぷり乗った、デカいミルクレープ。なんか超甘々そうなんだけど、キノは甘い物も大丈夫なのか。甘い物も好き、辛い物も好き、キノは食べ物の味には無頓着なのかな。過酷な旅の途中、食べ物の確保はそのまま命に関わることだから、食べ物にありつけた時には全部食べておこう、というところかな。そりゃあ味の選り好みもしていられないか。
その時に知り合って、次の日、一緒にお茶をしたおじいさんに「あなたは、この国に向いていると思いますよ?」などと言われたキノ。
「あなたは、人を殺すことができる人だから」。
初見では、あまり気にしなかったシーンだけど、ん?待て待て、このおじいさん、けっこう重要なこと言ってる?
キノは、人を殺すことができる人?
なんでそんなことが分かるの?
と、このおじいさん、只者ではなかったようで。

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後から分かりましたが、旧作2003年版を観ると、キノは自己防衛としてけっこう対人相手の殺ししてましたね。そういう過去の経緯があって、この国に来たからそう言われたのだな?と改めて思ったり。

そして、何事もなく、キノが出国しようとした時、再び現れた、野蛮な男。
冒頭の時は、俺の荷物を持てとか言ってきたけど、今度は「おまえの荷物、置いてけよ!」「売っ払って、金に換えてやる!」などとまた勝手なことを言い出し。ま、これからやろうと企んでいる悪事を全部自分の口から説明するとは、ある意味、単純で分かりやすい男……。
国の人々がその場からささーっといなくなり。ええー?!急に無関心になって建物に避難?!西部劇の対決じゃあるまいし?!
と、思いきや。
銃をキノに向け、引き金に指をかけた男の腕に、どこからか飛んできた矢が刺さり。
痛ぇ!と、引き抜こうとしたら、余計に痛いだろうが。
国の人々が、各々、手に武器を持って、男を取り囲んできました。
おや? タイトルの通り、『殺人は全面的にOK』の国ではなかったよう。
悪あがきする男に、最後にとどめを刺したのは、先程のおじいさん。
と、『キノの旅』を観ていくうちに、キノの武装能力の凄さを知りましたが、「だったら、あの野蛮な男に銃を向けられた時に、どうしてキノは銃を抜かなかったのか?」と疑問が。ちょっと威嚇して、それで男が「悪かったよ、なかったことにしてくれ!」と引き下がっていたら、男は国の人たちに命までは取られなかったはず。国外追放くらいで済んだはず。
と、後から思ったり。
てか、この男、おそらく、今まで人を殺したことなんてなかったのでは? もしくは、人を殺すことを、愉快犯的、自分を優位に見せたいがための手段としてきただけなのでは?
男が国の人たちに殺されて、男の遺体は片付けられて、普通にいつもの生活に戻る国の人々。キノはそれを見てドライに出国。
ま、そこまでいちいち関わらないか。

その後。
出国後に会った「自分の命を守るために、人を何人も殺してきた」「もう誰も殺したくない」という、先程とは真逆の男。おそらく、あの国は、そういう人たち向けの国か。でも、あの国で生まれ育った子供たちは、もうあの国から出られないだろうな、と思ったり。あの国でのルール・考え方は、当然、他の国では通用しないし。ま、特に事情がない限り、『国を出て旅に出る』ということはしない世界のようなので、大丈夫か。あの国で一生を過ごすなら、何かをしでかさない限り、身の安全は保障されているも同然みたいだし。
と、キノと別れた後、男が真顔でつぶやいた言葉。
「はたして、本当だろうか……?」
は! 油断してた!
あのデカいミルクレープがオチに使われた!
思わず笑ってしまった。

ちなみに、この世界では、銃器のことを『パースエイダ―』と呼んでいますが、調べてみると、英語で「説得者、説得する物」(persuader)、俗語では、銃などの脅しに用いる物、という意味だそう。
おお、本当にそういう言葉が存在していたのか。
なるほど、例えば、今回の話では、あの野蛮な男に銃を向けて「そんなことするのはやめろよ」と“説得”していたら、男は素直に“説得に応じて”、引き下がっていたのかも、と思ったり。
参考サイト:キノの旅 - パースエイダー - Weblio辞書