『ベイマックス』(ディズニー/2014年)、壮大な宣伝CM詐欺作品!

公開当時の予告CMなどからの印象と、実際に観た感想に、ものすごくギャップのあるディズニー映画でした。

※ちなみに、全体的に否定的なので、ご注意を。
でも、ディズニーのアンチではないのでご了承を。

宣伝CM詐欺!

予告CMなどから、主人公の少年が、“ベイマックス”によって兄の死から立ち直るという過程を描いた、ハートフルな物語だと思っていた。
が、全然違ったので、「ええっ?!」と本当に驚き。
あとから調べてみると、“原案は、6人の日本人のスーパーヒーローを主人公にしたアメコミ作品”だそう。原題は、『Big Hero 6』《Wikipediaより》。
なるほど……日本向けでは、タイトルは『ベイマックス』、アメコミ作品が原案ということはひた隠し、“ケアロボットのベイマックスと主人公の少年の交流を描いた心温まる物語”、と宣伝し、♪ひとりじゃないから~、というAIさんの名曲『Story』を流し、家族連れをターゲットにした、というわけ?
宣伝詐欺!としか言いようがありませんね。

そして、主人公の少年ヒロが、兄の遺したベイマックスを、戦闘モードのロボットに改変しちゃって、マシュマロみたいに白くて可愛らしかったベイマックスが、赤い戦闘機になっちゃった!
そして、兄の仲間と共に、兄の復讐にと敵と戦っていくヒロ。
最後には、「ヒロはヒーローに!」って、それ……オヤジギャグですか?!
なんだか……最後まで展開についていけませんでした。

タダシお兄ちゃんは無駄死に?

『そもそも、タダシは、スーパーヒーローのうちの1人じゃないし』みたいな扱い。
教授を助けようとして火災現場へ乗り込んだタダシお兄ちゃん。タダシお兄ちゃんは命を落とすが、実は教授は生き延びていて……。
ということは、結局、タダシの死は無駄死にだったのではないか?
扱いがひどすぎ……(泣)。
結局、一番『日本人らしかった』のは、“人の健康を守り心を癒すというケアロボット”を開発していた、このお兄ちゃんだけだったかも……?

日本的な生死観や宗教観について

世界の天下・ディズニー映画に、せっかく日本的要素が取り入れられた作品なので、キリスト教圏とは違った、日本独特の生死観や宗教観なども組み込んで、「日本の生死観の考え方はこんな感じで、キリスト教(やイスラム教)とはこんなふうに違うんですよ」という紹介をしてもらい、世界にも知ってほしかったのですが……あれ? そういう方向性の物語ではない??

例えば、祖先崇拝、輪廻転生、など、神道仏教の考え方を、『日本的には、このような考え方をしていますよ』と解説してくれたら、と。じゃないと、タダシお兄ちゃんが浮かばれない(泣)。
先祖崇拝の概念では、人は、亡くなったら、“ご先祖様”として、祀られます。
生きている人間は、“ご先祖様”を祀ります。仏壇に手を合わせたり、お墓参りに行ったりします。
なので、ざっくり言ってしまえば、ご先祖様も全員、“神様”(もちろん、キリスト教でいう“GOD”ではありません)。
それに、全国津々浦々にある神社仏閣に祀られているあらゆる神様も、全員、“神様”。
他にも、山、海、太陽、樹木、などの自然を崇める自然崇拝という概念もあります。
『八百万(やおよろず)の神様』と言われるように、数えきれないほどの“神様”が存在します。
キリスト教(やイスラム教)での『唯一神』、というわけではありません。

もし、何の説明もなく、ヒロが、「タダシ兄ちゃんは、死んで、神様になったんだ」(直訳)とか言い出したら、それはそれでキリスト教圏の人たちは「えええーーー?!(何言ってんの、この子は?!)」とビックリ仰天してしまうと思いますが、それはキリスト教でいう『唯一神』という意味の『神様』ではなくて。
日本的生死観をちゃんと解説した後、最後のほうで、ヒロが、
「タダシ兄ちゃんは、いつも僕のそばにいて、僕を見守ってくれてるんだ、だから僕はちゃんと生きてかなきゃ」
「タダシ兄ちゃんは言ってた、人を憎んではいけない、憎しみは憎しみしか生まないって。奴は憎いよ、憎いけど、でもだからって、ベイマックスを使って奴を殺せばいいってことじゃないんだ。ベイマックスはケアロボットなんだ、人の心を癒すために作ったんだ、ってタダシ兄ちゃん言ってたから」
「だから僕も、タダシ兄ちゃんみたいに、科学で社会に役立つような立派な人間になってみせるよ」
ベイマックスを抱きしめるヒロ。

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「……さよなら、タダシ兄ちゃん。僕のこと、ずっと見守っててね」
そして、ベイマックスをそっと離すヒロ。
「もう大丈夫だよ、ベイマックス
しゅるしゅる、と箱に戻っていくベイマックス
その箱を、福祉施設(病院とかでも)に届けるヒロ。
~END~

という展開だったら、納得したかも。
え? 舞台は、未来の架空のアメリカの都市? ヒロは、日系というだけの生粋のアメリカ人??

総論

この作品、観るまでの期待値とのあまりの落差に、本当にガッカリしたのが印象に残っています。
「どんな物語かな? ハートフルな物語なのかな?」「ベイマックス、ふわふわでカワイイ!」と、あれこれと想像していたほうが、よっぽどよかったなあ。
でも、某巨大サイトのレビュー欄は、けっこう高評価ですね。

私がもう一度、観直したほうがいいのかも……?

❰おわり❱