『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(TVアニメ/2011年)、大人だから泣けるアニメ

深夜枠アニメ・ノイタミナで放送された作品。
毎週、泣いていた覚えがあります。
『大人も泣ける』ではなくて、『大人だからこそ泣ける』のだろうな、と。

 “あの花”のイベントのニュースだったかな?をちらりと観たことがあり、インタビューを受けていた、30代~くらいのお母さんはすごく感極まっていたけど、その子ども(小学生くらい?)は、キョトンとした感じで、「お母さんとか大人がなんでそんなに泣いてるのか分かんねーよー」「お母さんに連れてこられたけど、もう疲れたよー、早く帰りたいよー」みたいだったのが印象的。そりゃそうだよね……真っ只中だと、分からないよね;

夜空に打ち上げられた花火が、単にきれいとかすごいとか夏のイベントの1つ、ではなくて、儚さや切なさ、はたまた「昔は花火好きだったけど、今は嫌い」「音だけ聞いていたら爆弾の爆破音みたいでいやだ」などといつか思うようになるかも。

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懐かしさ×リアルさ×せつなさ

幼少期の過去の、もう失ってしまった産物を、これでもか!とばかりに見せつけられた気がした。
たまたま家が近かったという幼なじみとか。
秘密基地とか。
交換日記とか。
まだガキで、これからもこういう日々がずっと続くと思っていたあの頃。
でも、いつの間にか“大人”になってしまい、気が付くと、全部なくなって、失ってしまっていることに気付く。
幼なじみは転校していったり、心理的にもどんどん離れていってしまって、“あの頃”のような関係ではなくなっている。
秘密基地にしていた場所も、もうどこにあったのかもあやふや。
交換日記なんて、誰かのところで止まったままで行方知れず。
そうして、気が付けば、「10年後にまた会えると信じて」なんていられない、という状況になっていることに気が付く。
幼少の頃は、友達とは10年後もずっと友達、10年後もずっとこんな毎日が続く、と本気で思っていた。
でも、大人になったある時、ふと気が付く。
そんなのは、幻なんだ。

エンディング曲の『あの曲』に、やられた。

 君と夏の終わり 将来の夢
 大きな希望 忘れない
 10年後の8月 また出会えると 信じて
 ♪『secret base ~君がくれたもの~』より

『あの曲』がかかると、もうそれだけで泣いてしまう。曲の入りのタイミングが、毎回、本当に絶妙だったし。
ストーリーと『あの曲』がすごくリンクして、こんなのズルい!!!としか言いようがない。こんなの、絶対泣けるってば!!!って。
“10年後の8月、また会えると信じて”といっても、現実的には会えない。
もう亡霊のようなものになってる。
めんまみたいに。
絶望的に会えない。
それが現実……(泣)。

ゆきあつの苛立ち

――進学校の高校に進んだし、立場的には俺のほうが上のはずなのに、どうしてあの頃のまま、あいつがリーダー格なんだ?!
――めんまのことが本当は好きだったのに、めんまはあいつを見ていた。どうして俺を見てくれないんだ?!
――めんまは、どうして俺のところに現れてくれないんだ?! どうしてあいつにしか見えないんだ?!

ゆきあつの苛立ちややるせなさはすごくよく分かる。
でも、残酷なことに、持って生まれた性格とか自然とリーダー格になるとかは、生まれる前から決まっている。
世の中は、不平等だし理不尽。
それに、他人の気持ちは、自分ではどうにもできない。自分がどんなにあの子を好きでも、あの子は自分に振り向いてくれない。
ゆきあつが悪いわけじゃない。ただ、そうなってしまう世界が残酷なだけ。理不尽なだけ。
そのことに、どうやって対処していけばいいか、どう受け止めるか。どう受け入れるか。
いつまでも、ガキみたいにイヤイヤ言っていられないし。
でも、ちゃんとケリをつけないと、そのまま大人になってしまったら手の付けようがないし。
ゆきあつにとっても、この高校生の時、というのがギリギリの期限だったと思う。
間に合ったみたいで、よかった……。

「そうして僕らは大人になっていく」

それでも、現実的には、前に進んでいかないといけない。
幼少の頃に好きだった子をずっと引きずっていても。
もう死んでしまったあの子を今でも大事に想っていても。
それでも、立ち止まってはいられない。前に進んでいかないといけないのだ。
大人になるって、本当に、やるせない。

実写化(2時間ドラマ枠/2015年)について

1クールのアニメを2時間枠に収めようというのが、まず無理だったか……。
主要登場人物6人、個々を詳細には描けないのは時間的に仕方ないとしても。ただ大筋を拾っているだけという感じがした。
それに、「みんな、身長デカいな!」「大人だな!」と思ってしまった。俳優界では、高校生(役)というと、こんな大きな子たちなのか、と。
そんな大人!な子たちが、『めんま』『じんたん』とか言っているのは、ちょっと違和感があったり。
特に“ぽっぽ”、幼少期と変わりすぎ!と思ってしまった。
そう、“ぽっぽ”役の子……あんな事件を起こして、「おまえ、なにやってんだ!」と怒りを覚えましたよ。
『さすがに中学生とかの少女はまずいけど、いわゆる熟女だったら何してもいい』とでも思ったのか? 『もしバレても、大女優のママがなんとかしてくれる』とでも思ったのか? 後からちらっと聞きましたが、発達障害だったとか。それが言い訳になるとでも? というか、芸能界という特殊な業界だったからこそ、発達障害でもなんでも、彼のキャラが“個性”だと認められていたんじゃないの? 他の、一般の会社だったら、確実に潰されていただろう。芸能界だからこそ、生き残れる可能性があった。なのに、あんな事件を起こして、その可能性を自ら潰してしまった。おまえ……一体、なにやってんだよ! これから、どうやって生きてくんだよ!
と、思わず。
お母さん(高畑淳子さん)、当時、叩かれすぎでしたね。お母さんのせいじゃないですよ……。

 ❰おわり❱