夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

『坂道のアポロン』アニメ版(全12話)今さら総感想

実写映画版も公開となった『坂道のアポロン』。
アニメ版(2012年春クール、ノイタミナ枠)は、最初はそれほど乗り気ではなかったけど、最終話まで観たらボロ泣きした覚えが。
今さらですが、総合的な感想を書きたいと思います。
※実写映画は観ていません。

この作品の事前情報はほとんど仕入れていなかったので、『音楽(ジャズ)がメインで、プロのジャズミュージシャンを目指す高校生たちの物語』と勝手に思ってしまったけど(ギャグ要素が全くなさそうだった、少女漫画ではなさそうだった、からかな?)、ガッツリ恋愛&友情もの、青春ものだったので、「そうだったのか?!」とビックリ。
タイトルの『坂道』は、主な舞台が、坂道が多いことで有名な長崎県佐世保だからか!と気付いたのも、第1話を観てからのことで。
時代背景が、現代ではなくて、少し古い時代ということも、薫がお母さんに会いに東京へ行く時に寝台列車ブルートレイン』が出てきたので、「あれ?!」とようやく気付いたことで。お、遅すぎ?! でも、それまで、あまり時代背景については気にならなかった……不良がやたらと出てきたり、米兵が出てきたりするのも、米軍基地のある田舎街だからかな?くらいな感じで(失礼なこと言ってたらすみません)。
でも、音楽(ジャズ)の演奏シーンは思ったより少なかったけど、文化祭での2人の即興セッションの演奏はすごかったので、途中で脱落しなくてよかった!と思いました(前半で脱落しそうになった;)。「うわ、すごいな!」「めっちゃ楽しそう!」と観入ってしまいました。
やっぱり、恋愛方面はジュン兄とユリカさんに任せて、音楽(ジャズ)の話がもっと観たかったな。
でも、音楽よりも、青春ものがメインだったようで。薫と千太郎は、喧嘩やすれ違い→セッションで仲直り、を何度も繰り返しているので、後半には、もう「薫と千太郎のイチャイチャでいいよっ!」とさえ思ってしまいました(笑)。

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主人公・薫について

うーん、どうも、主人公・薫が“エリート金持ち(の家系)のちょっとイヤミな奴”という印象が最後まで拭えなかった。
最初のほうから、恋愛方面には意外と積極的で、律子ちゃんをすぐにデートに誘ったり、すぐに(といっても劇中の時間の流れが早いので半年は経ってるか?)律子ちゃんに告白したり。でも、律子ちゃんはその時、別の人が好きだったのに、返事もらっていないのに一方的に……したり。薫、律子ちゃん泣かしてばかりじゃないか!
のちのち、手編みの手袋を律子ちゃんにもらっても、なんとなくスルーしてそのままにしちゃうし、でも「好きだー!」とか大声で叫んだりと、大胆なことはするんだけど、千太郎が姿を消して、「あいつがいなくなってよかった」とか律子ちゃんに言ってしまったり。高校卒業後は東京の大学に進学することにして、上京する時も、律子ちゃんに何も言わないし。薫、全然ツボ押さえてないっ!
それに、千太郎とは、ちょっと喧嘩しては仲直り、を繰り返し。でも、中盤あたりで、千太郎をセイジくんに取られそうになって(?)、みんなで行った潮干狩りの途中で怒って帰っちゃう、とか、なんか小さいガキみたい、とあきれてしまう場面もあったり。
主人公の印象が最後まで変わらない(マイナスのまま)というのは、珍しいかも。

魅力的だけど怪しい?ジュン兄について

律子ちゃんの隣の家の、東京の大学に行ったというジュン兄。トランペット奏者で、千太郎も慕っていたけど……。
クリスマスのジャズバーでの演奏で、茶々を入れられて舞台を降りてしまった千太郎。ジュン兄は、とっさにトランペットと歌(英語というところがまた……)でその場を盛り上げて。薫も思っていましたが、「これは、千太郎が憧れるのも分かるなあ」。はい、ジュン兄、文句なしにカッコいいです。
でも、その後、薫たちが東京に行った時、ジュン兄の下宿先を訊ねたけど、行方不明って……なんかイヤな予感。ユリカさんからの手紙が郵便受けにたくさん……いやいや、ユリカさん、ジュン兄みたいなひとを好きになっちゃダメ!と思ってしまったけど、ユリカさんは予想よりも遥かに強い女性だった!
でも、ジュン兄はユリカさんのこと、ただの遊びだったのか?最低!と思ってしまったけど、東京へ行く時に電車に思わず――という展開には、ジュン兄~~!!ってなりますよね。ジュン兄、ユリカさんのこと、本気だったのだね? 良家のお嬢様だし、まだ高校生のユリカさんを連れて行くわけにはいかないからって別れようとしたんだね? ――許します!!
『8年後』では、ジュン兄は直接は出てこなかったけど、その後もユリカさんと一緒に、ちゃんと家庭を築いているようで、ほっとしました。というか、全部ユリカさんのおかげか?

唯一まともな大人・おやじさんについて

律子ちゃんのお父さん、レコード店主。ウッドベース担当でノリノリでセッションもする、おやじさん。
登場する大人(親)で、まともな人って、このおやじさんくらいか?と思ってしまった。というか、他の『大人』たちがイヤな感じの人ばかりだったし。薫の叔父さん&叔母さん、千太郎の叔父さん&叔母さん、ユリカさんの両親、みんなイヤな感じだったな。
このおやじさん、ひそかに帰郷していたジュン兄を地下スタジオに匿ったり。
東京に戻るというジュン兄に一言「床屋行け」。この言葉にはちょっとぐっときてしまった。「東京に行っても連絡よこせよ」でもなく「元気でな」でもなく。髪の毛伸び放題だから、ちゃんと切れよ。そんな、気遣いのさりげない一言。
それに、娘の律子ちゃんのことを好きな薫に対しても、「娘はやらんぞ(フン!)」みたいな態度を取るわけでもなく、なんなら、上京する薫の見送りに来てくれたし。
いつもみんなを温かく見守ってくれて、ナイスアシストもしてくれた、おやじさんの存在が沁みました。

最終話(8年後)にボロ泣き

それほど迷いや葛藤も見せずに、誰にも相談せずに、何事もなかったかのように、さらーっと東京の大学に進学して、8年後には東京で医師として働く薫。高校時代のことは、もう過去のこと、ジャズや律子ちゃん、千太郎のことは過去の思い出、ということか。ドライすぎるような気もするけど……。やっぱり、最後まで薫のことは好きになれなかったな。
東京の病院で偶然会った、ユリカさんから写真を見せられた薫。一瞬、「まさか、律子ちゃんの結婚式?!」と思ってしまったけど、どうやら神父さんが千太郎か!
千太郎が、ちゃんとした、まともな生活しててよかった……と本当に思ってしまった。なんとなく、裏社会に行っちゃったんじゃないか?荒れた生活してるんじゃないか?と心配していたのだよね。よかった……。
そして、教会の中で、白い布を取る薫。千太郎、いる?!――と思いきや、ドラムか! フェイントw 新しいドラム買ったのか?と思ったけど、もしかしたら、おやじさんが地下スタジオのドラムを持って来てくれたのかも(泣)。
いきなり始まった、久しぶりのセッション! もう、言葉、要らない!
ううう……(泣)、後味爽やか。良い最終話でした。
最後まで観てきて良かった!

その他の人物のその後について
・セイジくん:歌手やタレントとしてテレビに出て活躍中! なんとなく、そうなるかと思ってた! 文化祭の薫たちのセッションに嫉妬もしないで「来年、勝負!」とか明るく言ってきたり、音楽に関しても受けるジャンルならなんでもやる!と柔軟な姿勢だったり(それはそれで問題か?)、野心は人一倍あったり。ちょっとイラッとしたこともあったけど、なぜか憎めない奴。こういう人が、成功するんだろうな。
・丸尾くん:丸メガネの丸尾くん、高校の卒業式の日に薫に「きみたちの文化祭の演奏、忘れないよ」と言ってくれたりして、いい奴だったなあ。『8年後』に、駅のホームにいた駅員さんは丸尾くんかな?

余談:『そうだ 京都、行こう。』のCMの曲

劇中で演奏された曲、どこかで聞いたことあるな?と思ったら、『そうだ 京都、行こう。』のCMの曲か!と思い当たり。
薫が律子ちゃんにその曲をピアノで弾いて告白していたけど、「薫、律子ちゃんに京都に旅行に行こうって誘ってんのか? いきなりすぎるだろ!」とツッコミしてしまいましたが。
失礼しました、ちょっと調べてみたら、その曲、ジャズのスタンダード・ナンバーでしたか。
そうだ 京都、行こう。』のCMのBGMという印象が強すぎて、「え! 歌詞もあるのか?」と驚いてしまったくらい。
でも、あの曲がかかると、自動的に京都の寺院や四季折々の景色(特に、桜や紅葉)の映像が頭の中に流れてしまう……あのCMによる一種の洗脳?! ジャズ調だと、新緑の季節あたりのイメージかな。
と、勝手にイメージしてしまいましたが、原曲は京都とは関係ないか。

余談:音楽を題材にした映画の演奏シーン

思い出したのが、『BECK』(2010年公開)。ロックバンドを題材にした、コミック原作の実写映画版の作品。当時、話題になっていたので、映画版のみ観たことがありますが。
最後のライブシーン、観客がみんな、主人公の歌声に聴きほれる場面。
主人公は歌ってる。
けど、まさかの歌声なし!!
これには逆の意味でビックリ。二度見ならぬ、二度聴きしましたよ。え、ええ?! 機材の故障か?!
いやいや。そういう演出でしたか。
でも、それじゃあ、実写映画化した意味、なくね?と思った覚えが。
坂道のアポロン』の実写版は、演奏シーンは俳優さん本人たちが演奏するようですね。演奏シーンに力を入れてほしい!がんばれ!と陰ながら。

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