夏魚、空を行ってみる

アニメ好きによるアニメ感想、つぶやき、空想など

アニメ『いぬやしき』総感想 実写化しても大丈夫なのか?と思った作品

前もって言いますが、この作品を好きな人はどうか引き返してください。
あと、かなり世間ナナメ読みしていますのでご注意を。でも、かなり真面目に書いています。
※ネタばれ前提です。

深夜ノイタミナ枠だったので、つい観てしまった、というのもありますが。
厭なシーン、たくさんありましたね。
小さな息子と、息子をかばったお父さん惨殺、とか。
全然利害関係のない一般女性を拉致してクスリ打って暴行死、とか。
上空の飛行機を次々とビル街に墜落させる、とか。
目を背けたくなるシーン、たくさんありました。ああ、観なきゃよかった(今さら;)。
原作なども知らないので、こんな内容だとは思ってもみなかったし、深夜枠とはいえ、ノイタミナで放送するとは……別の局で、ひっそりと放送すればよかったのに、と思ってしまいました。

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人を殺すのも人を助けるのも、結局はエゴでは?

ある意味、『自分の大事な人以外はどうでもいい』『自分の大事な人がしあわせならそれでいい』みたいな、獅子神ヒロのような考え方って怖いのかも?と思ったりして。
世間一般的なこのような認識は、突きつめていけば、こういうことだったりして?
その考え方を、実行に移しちゃった(それだけの超人的な武力を持っていて、それを使っちゃった)結果が、今作の獅子神ヒロだったりして?
獅子神ヒロは、大事なお母さんを亡くした後、匿ってくれた、渡辺しおんとそのおばあちゃんには「一緒にハワイに行こう」とか言い、その他大勢の見知らぬ人たちは「そんなのどうでもいい」からと無差別に殺戮。
でも、そんな『大事な人』がいるなら、どうして無差別殺人ができるんだろう?と逆に思ってしまいました。
『その他大勢の見知らぬ人にも、それぞれに大事な人がいる』という考えには至らなかったのですかね?
それに、『大事な人』がいて、その人を守りたい、と思うなら、ちゃんと守りを固めてから攻撃に行かないと。
『自分の大事な人』の守りもスッカスカなままで、どうして攻撃ばかりできるんだろう?
……サイコパス? そんな言葉で片付けてもいいのだろうか。

対して、犬屋敷おじさん。
人を助ける、救うことは良いことだとは思うのですが、でも犬屋敷おじさんが病院で病気を治したりしていることは本当の意味で“善”なのか?というと、疑問を感じました。
『犬屋敷おじさん、他人の命は、あなたの一存で決まるのですか?』
『犬屋敷おじさん、あなた、神にでもなったつもりですか?』
たまたま目についた病院の、この病室にいた、この子は助ける。でも、時間がなくてすぐに出て行ったから、別の病室にいた人は助けない。
たまたま居合わせた人は、生き返らせる。でも、別のどこかでひっそりと死んでいく人もいる。
犬屋敷おじさんだって、結局は自己満足、利己主義、エゴなのでは?と思いました。
そんなことをしてるなら、早いところ獅子神ヒロを探し出して、早いところ退治してほしかったです。
犬屋敷おじさんと獅子神ヒロの直接対決が、もう最終回近くって……。しかも、素手での殴り合いのシーンもあり、「お互い機械の身体なのに、今さら殴り合いかよ!」と余計なツッコミ。

獅子神ヒロはなぜ人を殺すのか?

何か深い理由でも? 過去に何かあったか?と思いきや。
「……え?」という感じの理由でした。
でも、こういう質問やそれに対する答えや、その答えに対して納得できるかどうか、というのは、「そんなの納得できるわけない」のでは、と思います。
例えば、「どうしてあなたは生きているの?」という質問に対して、「なぜなら、僕の脳が動いているからです。心臓が動いていて、血管に血液が流れているからです」という答えに対して、「そんなの納得できない! 殺人を犯したあなたの脳が動いているなんて、納得できるわけない!」という問答(ちぐはぐですね)と同じようなものではないかと。
「この人は、こうだったから、虐殺した」などと、無理してどうにか理由付けて『納得』することはないと思います。
というか、納得できるわけないでしょうが!

警察側が動いたのはなぜ?

幼なじみの安堂くんや犬屋敷おじさんが、警察側に情報をリークしたのか?と思っていましたが。
でも、警察側は、そもそも、獅子神ヒロが惨殺犯ということを、何を根拠に信じたのか? 何か証拠でもあったのか?
いや、証拠なんてないはず。拳銃などの凶器の証拠もないし。
警察側は、獅子神ヒロの超人的能力、武力はどこまで把握していたのか?
獅子神ヒロのアパートに、多数の刑事を動員するまでの警察側の動きは?
などなど、警察側の動きがまるで描かれていなかったのが疑問でした。「次回以降に描写があるのかな?」と毎回思っていましたが、最後まで描写なし。
しかも、獅子神ヒロの顔写真がマスコミに出回って、テレビでも放送。そんなテレビやネットの情報を鵜呑みにする世間。これ、一般人で本当に冤罪だったらどーすんの?とか思ってしまった。そんな警察側やマスコミの動きもある意味怖い。
しかし、警察側は、獅子神ヒロの武装能力のことをよく分かっていなかったようで。
『刑事や機動隊が、獅子神ヒロの居場所に踏み込む』→『獅子神ヒロに全滅させられる』→『獅子神ヒロは別の場所に逃げる』、の繰り返しを見せられているだけ。
……え? わざとそのような描写に?

安堂くんに期待していたのに

暴走した獅子神ヒロを、心情的に止められるのは、幼なじみの安堂くんだけだと思って期待していたのですが。
その安堂くん、人殺しを続ける獅子神ヒロを止めようとして、犬屋敷おじさんにコンタクトを取り、「あいつを止めてください!」と頼み込むのかと思いきや。
犬屋敷おじさんと一緒に病院に行き、病人を救って回る犬屋敷おじさんに、すっかり傾倒して、崇拝してしまった感じ。
最初の頃、集団リンチに遭い、学校に行けなくなった安堂くんを、獅子神ヒロは気にかけて安堂くんの部屋に行ったり、集団リンチの男たちを退治したりしました。そんな獅子神ヒロを、一度は見限った安堂くん。でも、その後、何かしらのフォローはしてほしかったです。
「あいつは本当は、根っから悪い奴ってわけじゃないんです! 僕はそう信じてます!」「僕が学校に行けなかった時に部屋に来てくれたりしたんです!」「ずっと僕のこと、気にかけてくれた、友達なんです!」とか言ってほしかったな。
……無理か。
最後に、獅子神ヒロが安堂くんの部屋に行った時も、安堂くんは怯えるだけで。ま、そんな状況でも、普通に『ジャンプ』に食いつく獅子神ヒロもちょっと不気味だったり。でも安堂くん、この時も獅子神ヒロのこと、突き放しちゃったな。
のちに、獅子神ヒロが自爆したことを知って、「ヒローー!!!」とか泣き叫んでも、安堂くん遅いだろ……と、ちょっと冷たい目で見てしまったり。

妙にイラッとした、その他の登場人物

・渡辺しおん&おばあちゃん
獅子神ヒロに告白してきた、渡辺しおん
両親は癌で他界、おばあちゃんと2人暮らし。
そのおばあちゃんは、普段はテレビも観ない。獅子神ヒロが転がり込んできても、全然、不審がったり、追い出そうとしたりしない。
獅子神ヒロにとって、実に都合のいい登場人物たち。
渡辺しおんも、「私も遺伝的に癌で死ぬし」みたいな感じで、とにかく誰かに頼りたかった、誰かに支えてほしかった、というだけに見えたし。
獅子神ヒロを匿った部屋を襲撃されて、その後、生き返らせられて、次の登場では別のアパートで普通に暮らす渡辺しおんとおばあちゃん。
ん? 渡辺しおん、襲撃時の記憶消されたのか? 「今月も、50万振り込まれてたよ」「あの子かねえ?」って……呑気?

・獅子神ヒロの実のお父さん
離婚したお父さんの新しい家族と、獅子神ヒロは、交流があったよう。
お父さんの子供の誕生パーティーに呼ばれるくらいに。
獅子神ヒロに、そんな仲の良い家族がいたのか?!と逆に驚いたくらい。
が、惨殺事件が報道された後、お父さんの家に行った獅子神ヒロ。
お父さんに直撃していた報道陣が獅子神ヒロに気付き、駆け寄ろうとしますが、獅子神ヒロは報道陣をバン!バン!と皆殺し。
そんな光景を目の当たりにしたら、父親なら「ヒロ、おまえ! あのニュースは本当だったのか! そんなこと、許されると思ってるのか?!」などと激怒して殴りつける、と思いきや。
「殺さないでくれぇ!」とその場にうずくまるお父さん。
お父さん……何やってんだ……。
このお父さんにもガッカリ。

・犬屋敷おじさんの娘・麻理
獅子神ヒロと同じクラスということで、この娘がもっと絡んでくると思いきや。
ほとんど関係なかったですね。
漫画家を目指している、という麻理。立派な家を建ててやるとかお金稼いでやる、とか言う前に、漫画は描いてるのか? 今までそのような描写もなかったので、急に何言ってんの?!という感じでした。
プライド捨ててでも、まずは“立派な家”の漫画家さんのアシスタントにさせてもらおうと押しかける!とか、具体的な行動をしてほしかったです。
が、最後には、いきなり、ジャンプ新人賞受賞?! え、ええ?!
モデルとかのオーディションなら分かるけど。まさか、顔で選ばれたわけじゃないよね?!(←疑いの目)
しかも、ペンネームではなくて本名?! 少年・青年向け漫画誌なのに?!
まあ、『犬屋敷』という珍しい苗字、ペンネームっぽくみえなくもないか。
もしかして、全然別の人物が『犬屋敷麻理』というペンネームで応募した作品、だったりして?
麻理に関してはこの辺り、なんか、納得いかないなあ。

・犬屋敷おじさんの息子
この弟、いちいちイラッとした。
『彗星が地球に墜落するかも』というニュースに、「ディープ・インパクトかよ」とツッコミしていましたが、今だったら「君の名は。かよ」ですかね?
そもそも、“お父さんやお母さんは、若いほうがいい”というのは、どこからの考え方なんですかね? 社会全般の考え方? 現代では、晩婚化も進み、高齢出産も進んでますよ。
でも、『お父さんが老けて見えるから、イヤ』って……犬屋敷おじさん、せつないな。
もしかして、この息子も娘・麻理も、養子なのかも?と思ってしまった。顔、全然似ていないし。
ま、中学生というから、どのみち、難しい年頃なんですかね。

突然の幕引きの最終回

『獅子神ヒロvs犬屋敷おじさん』の直接対決がメインなのか?と思っていたのですが。
あれ? 違いました?
急に、ト○ンプ氏っぽいアメリカ大統領が、「巨大隕石が地球に衝突して、地球は滅ぶ!」とか言ってて。
え? ええ?!とビックリ。
それまで隕石衝突のニュースはちらほらとありましたが。
そこは、アルマゲドン的な展開があるのでは?
ま、そこで登場するのが、犬屋敷おじさんと獅子神ヒロなのだろうけど。
でも、なんだかキレイごとすぎないか?
獅子神ヒロは、自爆して地球の人々を救ったなら、今までの大量殺人はチャラになるのか?
自爆する理由は、「渡辺しおんと安堂くんには死んでほしくないから」というだけ?
今まで殺してきた人たちのことは考えないのか?
そこは、最後まで自己中だった獅子神ヒロ。ブレない男……(褒めてません)。
犬屋敷おじさんは、地球に残って隕石落下で散るか、それとも隕石と共に散って地球を救うか。
その選択は、『犬屋敷おじさんだったら、そうするだろうな』というものでした。
唐突な急展開で、あっさり終了、という感じはしましたが。
エンディング曲に、アルマゲドンのテーマ曲……ではなくて、いつものあの曲。ちょっと沁みました。

実写映画化されるって本当ですか

「2018年4月に実写映画化!」という話を聞いて、ビックリ!
配役は、犬屋敷おじさん:とんねるず木梨憲武さん、獅子神ヒロ:佐藤健さん。
ええ?! とんねるずの木梨さん?! コントやギャグにならない?!
佐藤健さん、高校生役?! ちょっともう大人すぎないか?!
と、いろいろ思うところはありますが。
エグい描写や、午後の番組MCのミヤ○さん生中継で殺害とか、『ワンピース』や『ジャンプ』最強?!などなど、いろいろな意味で、「だ、大丈夫なのか……?」と他人事ながら心配になってしまいました。